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数分で読める小話を置いてます。 暇潰しにはなるかもしれません。
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初年度冬~2年目春くらい



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 WARSの至宝ごと参戦で、盛り上がるWCWWとそのファンではあったが、やはり仮にも龍子を破っただけのことはある今のうちに倒せる選手はいなかった

 現在の団体トップはジュニア戦士のメロディ。 ビューティもロゼやクレアも難関だった
 しかしそれは選手たちの話。 フロントとしては、資本投資はリスクではあったものの、大幅な動員アップでしてやったりといったところであった

「はぁ・・・。 やはりヘビーの人は大きいわねー・・・」
「あたしにもっと力があればあたしが行くんだけどねぇ・・・」
「もういっそやっちゃった方が早いかしら・・・」
「おーい、メロディ何を言ってるー」
 目に怪しげな光を灯したメロディが怖くなって声をかける
「あら社長。 いたんですか?」
「えーっと、いちおー私もコーチなので・・・。 何をやっちゃうのか知らんけど、下手なことするとただWARSにベルト返還で、ビューティを呼んだ資金が無駄になるのだが・・・」
「あらそうね。 社長もなかなか抜け目ないんですね」
「あんたら何の話してんだい?」
「まぁまぁ。 しかしそんなきついか。 そろそろ戦えないこともないかと思ってたんだが」
 そう言うと二人とも難しい顔をして下を向く
「ビューティさんもロゼさんもかなりのパワーファイターで、ジュニアの私だといなしきれないものがあるわ」
「あたしは同じパワーファイターではあるが、あちらさんの方が力が上で正直潰されちまうね」
 メロディが珍しく苛立ちを顔に浮かべ、ケルベロスは『勝てない』と表情で訴えていた
「そうか・・・できればビューティが参戦してるうちにWARSのベルトを奪ってもらいたかったが厳しいか・・・まぁしょうがないな」
 そう言うとメロディが刺すような目で私を見、薄笑いを浮かべながら言った
「あら・・・しょうがないことはないわ? 潰しあいしてもらいましょうよ」
「は?」
「あん?」
 意味がわからず私とケルベロスが間の抜けた感じで返す
「今まだうちでは奪えないのなら、どちらかに両方持ってもらった方が楽だわ。 WARSにロゼさんをぶつければいいのよ」
「ああ・・・」
「お、おお。 なるほど・・・」
 歯が立たない苛立ちとこちらの思惑を合わせた感じだろうか。 しかし確かにうちの思惑としてはその方がありがたい
「そうだな・・・しかしビューティが防衛したらどうする?」
「その時はその時でしょう。 でもあの人にそこまでやれるかしら?」
「・・・自分だって勝てないくせに・・・」
「ケルベロスさん、何? 聞こえなかったんだけど」
「い、いや、なんでもねぇよ」

 かくしてビューティは守り切れず、ロゼ・ヒューイットが第5代WARS無差別級王者となったのであった

 これが4月の話。 事態が動くのはここから約半年後のことである



(終)
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