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数分で読める小話を置いてます。 暇潰しにはなるかもしれません。
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よくないけど言いたい

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「さて、前回以来1年近く経とうとしているわけなんだけど」
「なんだまだいたのか、社長」
「久しぶりなのに相変わらずだね…真鍋くん」
「むしろ変わる理由が無いだろ」
「社長は仕事してなくても社長でいられるものなのでしょうかねぇ…」
「あれ? 霧子くんってこんなに辛口だったっけ?」
「真鍋さんが変わってないことにご不満だったようですので、変わってみました」
「真鍋に不満であっても霧子くんには望んでないよ!?」

「で、だね。 まぁゲームも創作もしてはいないのだけどさ」
「ダメなままで来んな、お前」
「ここは二次創作で、かつ小話で、お前なんかにと思われるかもしれないだろうけど、昨今の異世界物と呼ばれる作品には呆れるよね」
「よし、落ち着け社長。 そこでやめよう」
「社長、前回でやめたはずでは?」
「やめたはずだったが、これだけ時間たっても我慢ならないので、どうしても言いたいことだけは言う」
「やめようよー。 誰も得しないじゃんさー」
「それを言われると確かにそうなんだけど…でもどうしても納得いかないんだよ」
「何がそんなに不満なのでしょうか?」
「ちょ、霧子さんダメだって。 話させちゃダメっ」
「そもそも異世界物ってオリジナルの世界だからこそ設定を作り込まないといけないものじゃない? だけど昨今の異世界物ってむしろ設定を作り込まないための手抜きのための設定になっていて、薄っぺらい話にしかなってないよね」
「ほらぁ…だから話させるなって…」
「真鍋さん…すいません…」
「それでもね。 web発表でその出来なのはいいんだよ、素人だからね。 出来が悪かったり粗があったりしてもそんなものでしょうってものだよ。 そんな拙いものを商品にしてる出版社が許せないね、私は」
「上乗せで碌なこと言わないね、こいつ」
「社長、本当やめませんか…?」
「作家目指して何々賞とかに応募してた人がバカを見てるとしか思えない。 わざわざプロに審査してもらってたのも無意味よね。 話や設定の辻褄の合わない、素人がその場で書いたような話が本になるのだから」
「おい、マジでやめろよ」
「二次創作の方がよっぽど設定しっかりしてるよ。 だって設定は元ネタに必ず準拠してるんだから。 借り物であってもしっかりプロが作った設定の上に作られてる話なんだから」
「社長! やめてください!」
「やめるけどー、それは本当言いたいわけよ。 狭き門をくぐって作家なり編集者なりプロが審査してなってた作家という職業は、今は素人の書いた開始早々から辻褄の合わないような作品でなれるお手軽なものになったのだね、と」
「そこまで言う? 開始早々から辻褄合わないってどんなのさ」
「え、それ言っていいの? いや、具体的な例示は作品批判になるからやめようかと思ってたんだけど…」
「言わなくてよいです、社長。 言わないでください」
「うん、言わなくていいわ」
「あとね、特に言いたい点もあるんだ」
「もうやめようって言ってるじゃないよ…」
「いや、批判じゃなくて…批判なのかなー? 結局素人が書いてるわけだからさ、ちゃんと完結できるかわからないものを書籍にするのってリスクだと思うんだけどねぇって思うんだよ」
「それは確かにそうですね」
「そう? それは二人とも人が良い考えじゃない?」
「ん? なんでだ、真鍋」
「完結しなくても売れればいいってことだよ。 2巻が出なくても出せなくても、1巻が売れるならそれでいいじゃん、出版社的には」
「ああ、なるほど」
「ええぇぇぇ…そんな書籍化ありー?」
「商売として見ればありじゃない? 客視点ならなしだけどさ」

「まぁずっと文句言ってるわけだけど」
「…もう本当にやめてくださいね」
「ただ見てるうちに異世界物のアイデアが湧いてさー。 書くかどうしようかと思ってて」
「は? お前が? オリジナルを? 今完結するかどうかとか言っておいて??」
「ぐっ…」
「やるの? 完結できなそうなお前が??」
「うぐっ…」
「プロットは見ましたけどいいと思いますよ。 書けるのであれば」
「ぐぐぐっ…」
「無理だろ? まだ設定も詰め切れてないし、最初と最後しかできてないじゃん」
「…」
「さんざん文句を言ってた分際で、どの面下げてそこへ参入すると?」
「参入するつもりはないけど…おもしろいんじゃないかなーって…」
「そういうのはさ、こんなプロット段階でほざかないでちゃんと書いてから言いな。 どうせできないんだから」
「いやでもっ!」
「創作離れててオリジナル作品書こうなんて無理だと思いますが…」
「それもまだ設定も定まってないものをね。 まさかあれだけ言っておいて中途半端な設定で書きやしないだろうね?」
「…とりあえずこれ以上は言わないようにします…」
「そうしてください」
「そもそも小話くらい書けよ…書かないと本当に書けないようになるんだから」
「すでに書けないようになってるので、それは…」
「…ああ、そうか」
「そうだね…書けなくなった身で批判するのはよくないね。 いやでも最後に、本当最後に言わせてほしいのは作品や作者に批判したつもりはずっと無いんだよ。 あくまで出版社に言いたいんだ!」
「できればそれもやめてください…」
「ぶっちゃけ売れた物勝ちだと思うよー?」
「まぁ、そうかもね…」



(終)

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