「で、社長さー」
「なんだ、真鍋?」
「ちゃんと社長に戻ったわけじゃんよ? 書けよ、お前」
「『ちゃんと社長に戻った』のにお前呼ばわりってどういうことだ、お前は」
「でも実際どうなんですか、社長?」
「いあ、うーん・・・霧子くん、難しいな、それは・・・」
「まーた書けないってかー?」
「それもあるけど・・・そもそも2Rの続きはもう無理だ」
「・・・なんで」
「あれの後の2回分は展開を覚えてる。 問題はその先を全く覚えてない。 そして・・・データが無い・・・」
「なぁんで無いんだよーっ!」
「・・・真鍋さん、先日社長が間違えて上書きを・・・」
「このド級のドアホーっっ!! お前何回上書きミスすれば反省すんだーっっ!!!」
「うるさいなっ!! 言われなくても泣きたくなったよっっ!」
「けれど2Rは仕方ないとして、別でまた始めればよろしいのでは?」
「そこなのだけど・・・今経営してるのはWCWWじゃないんだ」
「別にいーじゃんさ」
「ダメなのっ! アップするのはあくまでもWCWW! お前が前暴露した他団体の話だって載せてないだろ!」
「・・・1個出したやん」
「・・・黙れ」
「え? 出しましたっけ?」
「フレイアの話は他団体のやつー。 確か団体名は・・・」
「真鍋、だ・ま・れーっっ」
「で、だね。 書きたいとは思ってはいる、いちおー」
「おいおい。 他で散々つっこまれてる書く書く詐欺はやめておけよー」
「ぐっ・・・ただ正直困ってる点が2つある。 これの解決策が出たら書く」
「何よ」
「WCWWで、ってのは決まってるけど、また最初からだとほぼ出演キャラがかぶる。 これが1」
「かぶるのは社長がいつも同じ選手獲るからでは・・・」
「そーだよ。 フレイア・さとみん・藤島さんでしょー?」
「・・・」
「その3人いつもどのデータにもいるじゃんさ。 このストーカー」
「おぉいっ! 待てこら!!」
「もしくは吉原・理沙子かしらね・・・」
「あんなおばんのどこがいいんかね」
「こぉーら、真鍋ー。 本人の前では言えないくせにそういうこと言うのはやめなさいよー」
「ぎゃーっ! ミミさんっっ」
「あらら、逃げちゃった」
「ミミさんありがとう! さすがは団体の華!!」
「はいはい。 社長は華が多くてよかったですねー」
「そ、そんな気は・・・」
「あらら。 じゃあ小縞ちゃんとか呼びましょうか?」
「すいません、本当許してください・・・」
「で、社長。 もう1つはなんでしょうか?」
「先日、他の方のリプレイを読んだんですけどね。 自分で愕然としたことがありまして」
「なんですか?」
「興行の表現、です・・・」
「興行の表現?」
「正直な話、私はプロレスを好きではあるけれど、好きと言えるほど見てないんですよ」
「はあ」
「だからその方のリプレイを見た時に、その説得力に脱帽しまして・・・」
「あー、あの社長?」
「なんです? ミミさん」
「よく見返すといいですよ。 社長、うちの話で興行話書いてないですよ?」
「・・・」
「・・・そう言えばそうですね・・・」
「それに書けないのなら書けないでいいじゃないですか。 リアリティがなくたっていいじゃないですか」
「・・・それはどうせ見に来る人がいないからですか?」
「ふふ、そうねぇ、そうかもしれないけれどー・・・そうではなくて、読んだ人が楽しいかそうでないか、じゃないかなーって」
「ああ。 いいこと言いますね、吉原さん」
「ねえ? うちの話はジムだのリング外の話が多く、実際のプロレスとの乖離が大きいフィクションかもしれない。 だけど、ちゃんとリプレイだし、社長の見えている世界の表現なんでしょ?」
「はい・・・」
「最初から~に関しては、別のところに書いたネタそのまま持ってきちゃえばいいわよ」
「そんな盛大なネタばらしした上で書くのはきついです・・・」
「タイトル変えとけば読む人は勝手に悟ってくれるし、読んでもらうことより書く方がいいと思うよ、社長」
「いやでもそれは・・・」
「(吉原さん)」
「(? なんです、霧子さん)」
「(あと一押しお願いします)」
「(・・・)」
「んー・・・でもなぁ・・・」
「社長」
「ん?」
「私・・・また社長とがんばりたいな・・・」
「が、がんばりますっ!」
「(ありがとう、吉原さん)」
「(貸しですよー?)」
「さすがに今の団体をすぐ投げるのは嫌なのでもう少し後にはなりますけど、やります!」
「はい、わかりました。 よろしくお願いしますね、社長」
「で、真鍋ちゃん。 逃げればいいってわけじゃないのよ? ちゃあんと怒ってるからねー」
「ミミさんっ、本当ごめんなさいっ、マジでっ! 本気じゃないんですっ!!」
「謝っても許してあーげないっと。 さあ、みっちりスパーするわよーっ」
「みぎゃーっっ!!」
(終)