数分で読める小話を置いてます。 暇潰しにはなるかもしれません。
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『お盆なのでお父さんとお母さんのお墓参りに行ってきます。 一人で大丈夫なので心配しないでください。 そのまましばらく一人で考えたいと思います』
「…」
「…」
「…なんだい? これは」
「見ての通りだと思いますが」
「桂、確かついこの間まで風邪ひいて寝込んでなかったかい?」
「そうですね」
「で、治ったらこれかい?」
「…かなり気にしてましたから」
「…」
「…」
「つまり…逃げたんだね?」
「有体に言えばそうなるかと」
「まったくしょうがないねえ、桂は。 もうちょっと軽くやれないもんなのかねえ…」
「先月末の小話以来、どうにもアイデアが浮かばない、と苦しんでましたから」
「何が原因かねえ…」
「さあ…。 ただ桂さんは繊細な人ですから、いろいろと考えすぎているのかもしれません」
「いえいえ、そんなことないですよ?」
「…」
「…」
「どうかしましたか?」
「あんた、どこから…ああ、まあいいさね。 どうせ返事はわかってるから」
「…そうですね」
「何か奥歯に物の挟まったような言い方ですけど、まあいいとして。 おねーさんがアイデアに詰まっている理由は案外簡単ですようー」
「ほう…。 どういうことだい? 葛」
「まず第一に純粋に忙しいから、ということ」
「まあそうですね。 確かに最近桂さんはいろいろと動き回ってました」
「次に、チャットが創作の邪魔になってる、ということ」
「ちゃっと? それはいったいなんだい?」
「…フリーのライターがそれで大丈夫なんですか?」
「余計な心配は無用だよ。 あたしはあたしで十分やれているさね」
「…あの、葛様。 私もよくわからないのですが」
「…。 二人とも自分で調べてください」
「…つまりまだMMOはやっていたんだね」
「そうですねー」
「それが最大の原因なんじゃないかい?」
「当たらずとも遠からじ、ですかね。 結局は作品から離れてることが一番かと」
「でも理由がわかってるなら解決は楽ですね」
「いやいや、そうとも言えませんようー」
「なぜですか?」
「わかっててやらないからだろうさ。 そうだろ? 葛」
「はいです。 どうもお仲間ができて『飽きたらやめよう』という当初の予定がしづらくなったよー、なんておねーさんは言ってましたね」
「そんなんでよく先月のアレは書けたねえ」
「まああれは完成まで2ヶ月かかってますよ? 実際は」
「…まあかなり時期外れな感もありましたしね……」
「烏月さん、それは禁句です」
「で、桂はいつになったら帰ってくるんだい?」
「それは私も知りたいところですが」
「さあ…。 今本当におねーさん煮詰まってるのでどうか長い目で見てもらえますかね?」
「しかし、桂一人にしておくのは危ないだろうさ。 いつどこでどんな危ない目に遭うかもわからないんだよ?」
「そうですね。 私が桂さんの危機を守ろうにも居場所がわからなければそれもできないですし…」
「どこかの刃物バカに任せるかは別として、烏月の言う通りさね」
「…どこかの刃物バカとは誰のことでしょう、サクヤさん」
「まあまあ二人とも落ち着いて」
「けどっ」
「しかしっ」
「大丈夫ですよ、おねーさんの居場所はちゃんと押さえてますから。 何かあればすぐ若杉でフォローしますから」
「…やっぱりかい」
「…ですね」
「………あ。 い、今のはひとりごとです。 それではーっ」
「待ちなっ、葛っ。 桂の居場所を言ってから行きなーっ」
「葛さまっ」
「わたしは何も知らないですようーっ」
「だったら逃げるんじゃないよーっ」
(終)
「…」
「…」
「…なんだい? これは」
「見ての通りだと思いますが」
「桂、確かついこの間まで風邪ひいて寝込んでなかったかい?」
「そうですね」
「で、治ったらこれかい?」
「…かなり気にしてましたから」
「…」
「…」
「つまり…逃げたんだね?」
「有体に言えばそうなるかと」
「まったくしょうがないねえ、桂は。 もうちょっと軽くやれないもんなのかねえ…」
「先月末の小話以来、どうにもアイデアが浮かばない、と苦しんでましたから」
「何が原因かねえ…」
「さあ…。 ただ桂さんは繊細な人ですから、いろいろと考えすぎているのかもしれません」
「いえいえ、そんなことないですよ?」
「…」
「…」
「どうかしましたか?」
「あんた、どこから…ああ、まあいいさね。 どうせ返事はわかってるから」
「…そうですね」
「何か奥歯に物の挟まったような言い方ですけど、まあいいとして。 おねーさんがアイデアに詰まっている理由は案外簡単ですようー」
「ほう…。 どういうことだい? 葛」
「まず第一に純粋に忙しいから、ということ」
「まあそうですね。 確かに最近桂さんはいろいろと動き回ってました」
「次に、チャットが創作の邪魔になってる、ということ」
「ちゃっと? それはいったいなんだい?」
「…フリーのライターがそれで大丈夫なんですか?」
「余計な心配は無用だよ。 あたしはあたしで十分やれているさね」
「…あの、葛様。 私もよくわからないのですが」
「…。 二人とも自分で調べてください」
「…つまりまだMMOはやっていたんだね」
「そうですねー」
「それが最大の原因なんじゃないかい?」
「当たらずとも遠からじ、ですかね。 結局は作品から離れてることが一番かと」
「でも理由がわかってるなら解決は楽ですね」
「いやいや、そうとも言えませんようー」
「なぜですか?」
「わかっててやらないからだろうさ。 そうだろ? 葛」
「はいです。 どうもお仲間ができて『飽きたらやめよう』という当初の予定がしづらくなったよー、なんておねーさんは言ってましたね」
「そんなんでよく先月のアレは書けたねえ」
「まああれは完成まで2ヶ月かかってますよ? 実際は」
「…まあかなり時期外れな感もありましたしね……」
「烏月さん、それは禁句です」
「で、桂はいつになったら帰ってくるんだい?」
「それは私も知りたいところですが」
「さあ…。 今本当におねーさん煮詰まってるのでどうか長い目で見てもらえますかね?」
「しかし、桂一人にしておくのは危ないだろうさ。 いつどこでどんな危ない目に遭うかもわからないんだよ?」
「そうですね。 私が桂さんの危機を守ろうにも居場所がわからなければそれもできないですし…」
「どこかの刃物バカに任せるかは別として、烏月の言う通りさね」
「…どこかの刃物バカとは誰のことでしょう、サクヤさん」
「まあまあ二人とも落ち着いて」
「けどっ」
「しかしっ」
「大丈夫ですよ、おねーさんの居場所はちゃんと押さえてますから。 何かあればすぐ若杉でフォローしますから」
「…やっぱりかい」
「…ですね」
「………あ。 い、今のはひとりごとです。 それではーっ」
「待ちなっ、葛っ。 桂の居場所を言ってから行きなーっ」
「葛さまっ」
「わたしは何も知らないですようーっ」
「だったら逃げるんじゃないよーっ」
(終)
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