レッスルで戯れ言

気にしない

「さて前回の続きなんだけどさ」
「おい、やめろ」
「社長、引き時は大事です。　正直言えば前回のも消してください」
「え、そんな？　別に特定作品を挙げてるわけでもないし問題なくない？」
「出版社とか敵に回すのはいいと思ってるのか、お前」
「別に？　何か文筆業してるわけでもないし・・・」
「書き物してるのにそんなスタンスだったとは驚きですね・・・仮にそういうオファーをもらったらなんて返事する気なんですか？」
「ご評価いただき誠にありがとうございます。　けれど身に余る評価で私にはご期待にそえる能力はございません。　せっかくのお話ですがお断りさせていただきます、でしょ」
「おお・・・意外にまともな言葉遣いできたんだな・・・」
「お前社長様をなんだと思ってるの？」
「引き籠もり型のオタク」
「霧子さん、真鍋のタイトルマッチは最低3年無しで」
「その条件なら、まぁ・・・のめなくはないですね」
「ちょっと霧子さぁぁぁぁぁんっ！」
「解雇ではないですから・・・」

「いやだってさー、言っちゃなんだけど私だって読んだ人が楽しかったと思えるものを書いてるつもりだよ？」
「おいおい、それは出版社じゃなくて作者批判だぞ」
「あんなの書いてる人が楽しいと思えるものでしょうが、それもこんなの楽しいの、あんた？　って聞きたくなるようなものでさ。　あんなん読んだ人これ楽しくない？って言えるような代物じゃないでしょ」
「社長、本当にやめましょうよ」
「最悪それで文庫で600円くらいならともかく、あんなものに倍くらいのお金出せって気が狂ってるの？って私は思うよ」
「おまっ。　いや、本当やめとけ、そこまでにしておけ」
「読んでて『は？』『なんで？』とか思ってたら邪魔で読んでられないっての。　そのくらい書き手が思わせない工夫くらいしなよ。　心底うんざりするよ、あれ」
「社長っ！　やめてください！！」
「そんな間違ったこと私言ってる・・・？」
「言ってるかどうかはさておき、今これを読んでる人が楽しくなりそうですか？」
「む・・・それを言われるとつらいな・・・。　わかった、やめますぅ」
「うわー・・・不満そうー」
「まぁ正直かなり言いたいよ、あれは。　でもまぁ確かに読んで楽しいものにはならなさそうだからやめます・・・」
「そうしてくださると助かります」


「話は変わるんだけどさ」
「本当に変わるんだろうな？」
「変わるよ！　ちょっとアカイイトで検索かけたんだけど、ここって引っかからないんだね。　笑っちゃった」
「まぁ更新してませんし？　当然ではないでしょうか」
「まぁそれ自体はどうでもよくて、その中で今までに見たことがないサイトがあったので行ったところ、もう10年くらい前に更新停止してて「もう見に来てくれる人もほとんどいないから」ってあってさ」
「まぁさすがに活動してるところももう無いでしょうしね、当然かと」
「いや、えーと、碌々更新してない私のところを含めるのは申し訳ないとは思うんだけど、はっきりとしたスタンスの違いを知ることができた、と思ってさ」
「どういう意味？」
「長く続いてるサイトさん、そしていちおー私はたぶん『自分が好きだから活動してるし存在してるんだ』ってこと。　だから人が来ようが来まいが、声がかかろうがかかるまいが、活動するし存在するんだろうなーって」
「ふむ」
「もちろん人が来たり声がかかれば嬉しいしモチベも上がるけど、無いからやめようには決してならないんだよね。　そんな発想自体が無かったからすごい驚いたんだ」
「さすがぼっちはイカれてるね」
「・・・お前、高速でよくそこまで悪く言えるね・・・」
「真鍋さんは言い過ぎですが、社長は反省もしていただきたいですね」
「反省？」
「はい。　せっかく交流してくださった方にも失礼が多いので」
「・・・その点については深く反省しています。　本当に申し訳ないとはちゃんと思ってはいるのだけど、なんだろうなぁ・・・一人で垂れ流してるべきなのかな・・・どうも無沙汰になりがちで・・・」
「だから小嶋とかもたまにしか来ないんだぞ」
「小嶋来ても結構書きにくいんですけど・・・」
「口が悪い方が都合よければ、市ヶ谷さんとか鏡さんもいらっしゃいますよ？」
「お前が小嶋とか言うからフィクションとノンフィクションがごっちゃになったじゃないかーっ」
「え・・・じゃあリアルの友達とも全然連絡しなくなってるって言われたかったの・・・？」
「・・・」
「・・・」
「・・・」




（終）