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数分で読める小話を置いてます。 暇潰しにはなるかもしれません。
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 (昨日アップしたものについてうだうだと、な話。 ネタばらしなんか聞く気はないって方は回避推奨)

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 だけど結局みんなに渡すよりも前にみんなに渡されてしまった。

 大切な気持ちを忘れないように。 渡したい気持ちをいつも心に。

 そう、思った。



「これはいきなり何だい? 桂さん」
「『渡したい気持ち』の最初に書いた最後の部分。 だけどいろいろ考えてこの部分は消したの」
「なぜだい?」
「あの終わり方の方がいいかな、って思ったのが一番の理由ではあるんだけど…。 他には、13日にアップしたかったからとか」
「ああ、なるほど。 これだと内容的に今日になるね。 でもどうして13日にこだわるんだい?」
「ううん。 こだわっているつもりはないよ? ただ書くと決めた時から前日の話にしようと思っただけで」
「なるほどね」
「あと他の消した理由は、『渡した』って描写を書きたくなかったんだ」
「それは…こういう時節ネタなのにどうしてまた?」
「…。 これ、書き始めとは話が途中で変わっちゃってるんだよ。 だから話を甘い方に持っていきたくなかったんだ」
「そうなのかい? 私は気づかなかったけれど…」
「読んだ人はわかると思うんだけど、書き始めは柚明お姉ちゃんとの甘い話、を考えてたのね」
「…まるで違う話になっているね」
「サクヤさんが出てきたあたりから話が変わってきて、いつの間にかあんな話に…」
「でもこれはこれでいいんじゃないかな。 私も兄に小さいながら捧げてきたしね」
「うん、そうだよねっ」

「いろいろ考えたんだけど…使わなかったなー」
「そうなのかい?」
「うん。 チョコを食べてバレンタインに気づいてチョコのリップでキス、とか」
「それは…なんと言うか…」
「チョコをあーんしてもらって食べさせて、『チョコより甘い時間』、みたいな感じとか」
「ああ…その…うん」
「思いっきり迫られて、手に持ったチョコもわたしも溶けてしまいそうだった、みたいなのとか」
「あ……ああ…確かに、その、今もう…暑い、ね」
「でもありがちで書くのはつまらないんだよね。 読むのは好きなんだけど」
「いや、そこは逃げるべきではないよ、桂さん」
「いっそいつもの感じでコメディ調に、とも考えたんだけど」
「それこそ逃げだよ。 桂さん、ちゃんと正面から向かい合わなくてはっ」
「…烏月さん、どうかした? …その、書いてる人がいるかもしれないから不穏当な表現は控えて欲しいんだけど…」
「せっかく甘い話を書くいい機会に、笑いで逃げるのはいさぎよくはない。 戦いから逃げるだけでは強くはなれないんだよっ」
「でも、結局は甘い話じゃないよ? 渡すのは白花ちゃんになってるし」
「奴め…。 いっそ槐の木ごと私が切ってこようっ」
「烏月さんっ、さっきと言ってること違うよーっ」

「ちなみにわたしはいつもこんな感じでネタを出して、そこから適当に書いてるんだ」
「…あのわずか一行程度の内容から話を作っているのだね」
「そう。 だから今回みたいに途中で話が変わったりするんだよね…。 それとか書けなくなって放置とか…」
「戯言はどうなのかな」
「戯言も変わりはないよ? 身近な所からネタを引っ張ってくる、ってところが違うだけかな?」
「それでよくあれだけ書けるね」
「えへへー」
「…いや褒めたわけではないんだが」
「あれ?」



(終)
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