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数分で読める小話を置いてます。 暇潰しにはなるかもしれません。
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 (桂と葛)

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「はとちゃん、今日はどうする?」
「えっと今日は…」
 学校も終わり、校門を出たところ。
「あ」
「え? あ、葛ちゃん♪」
 少し離れた所から葛ちゃんが手を振っているのが見えた。
「くっ、出たわね子供。 またあたしとはとちゃんのラブのお邪魔にっ」
「子供じゃなくて、葛ちゃん。 もう陽子ちゃん、なんでそんなに葛ちゃんをいやがるの?」
「あたしとはとちゃんの間に割り込む者は全て敵だーっ!」
「お凛さんは?」
「お凛は車でお出迎えだからいーのよ」
「ふーん」

「桂おねーさん、お久しぶりです」
「葛ちゃん、いらっしゃい♪」
「…この前も来てたじゃないの…」
「陽子ちゃんっ」
「…はあ。 お邪魔でしたか?」
「お邪魔だー…ふがっ」
 大人気ない陽子ちゃんの口を塞ぐ。
「今日はゆっくりできるの?」
「ええ、まあ」
「じゃあ、泊まってってね♪」
「いいんですか?」
「もちろんだよ。 葛ちゃんならいつでも大歓迎だよ」
「ふがっ、もがっ!」
 葛ちゃんは何か喚く陽子ちゃんを見上げ、いたずらっぽく笑うと
「じゃあ毎日来ちゃいましょうかね♪」
 そう言って、わたしに抱きついた。

「あたしのはとちゃんに何するかーっ、この子供ーっ」
 わたしの抵抗もむなしく陽子ちゃんがわたしを振りほどいて叫ぶ。
「…別にわたし陽子ちゃんのものじゃないよ?」
「はーなーれーろーっ」
 わたしの言葉を無視して、抱きついている葛ちゃんを離そうと陽子ちゃんが振り回す。
「ちょっと陽子ちゃん、やめてよー。 葛ちゃんがかわいそうでしょー」
 ついでに一緒に振り回されてるわたしのことも考えて欲しいです。
「わたし、今離れるとたいへんなことになるんですけどー。 ご勘弁をー」
「勘弁ならーんっ」
「あ、なんか時代劇みたいだねー。 って、本当やめてよー、陽子ちゃーん」

 学校帰りの道路でわたし達はくるくると回っていた。




(終)
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